肌だけじゃない!抜け毛予防に髪や頭皮への紫外線にも注意
紫外線(UV)は、私たちが見ることができる赤や黄色などの成分よりも短い波長を持った成分で、エネルギーが高いのが特徴です。
紫外線には、皮膚の表面に対する刺激が強いUV-Bと言う種類と、表皮と言われる皮膚表面だけではなく、皮膚の最深部の真皮にまで到達するUV-Aという種類があります。
UV-Bは、夏に皮膚を真っ赤にする原因の紫外線です。UV-Aは、メラニンを作る細胞であるメラノサイトの働きを活発化させますので、皮膚が黒く焼けたり、いわゆるシミの原因になります。
紫外線が多い季節と言えば、7月や8月の暑い時期を思い浮かべると思います。しかし、でも紫外線と気温の間に関係はありません。氷に閉ざされた南極や北極だって紫外線が降り注いでいるぐらいです。
気温とは関係ありませんが、紫外線が強くなる時期はあります。UV-Bは、2月の後半頃から増え始め、5月から9月にかけて最も多くなります。
UV-AのピークはUV-Bと同じく5月から9月頃ですが、その間だけでなく、真冬でも一定量が降り注いでいます。
このため、紫外線対策は、本当は一年中した方が良いのです。
肌に有害であることは、日焼け、シミなどで実感している紫外線ですが、頭皮や髪も無傷ではありません。
紫外線が髪の毛のキューティクルを失わせる
まずは、紫外線が髪に直接与える影響です。
紫外線の種類UV-AとUV-Bのうち、髪の毛にダメージを与えるのは、UV-Aの方です。
髪の毛は、UV-Aを浴びると、ぱさぱさになります。これは、UV-Aが、髪の成分のたんぱく質を破壊してしまうからです。たんぱく質によって、髪の毛に閉じ込められているはずの栄養素や水分が、たんぱく質が破壊されることで、外に漏れだしてしまいます。
ちなみに髪の毛が紫外線をたくさん浴びると変色するのも、壊れたたんぱく質のバリアを通って髪の内部に進入したUV-Aがメラニン色素を破壊するのが原因です。
髪は頭の上に有って、紫外線から髪を守るものが何もないので、最も多くの紫外線を浴びます。一説では、髪の毛は、顔に浴びるUV-Aの2倍の量を受けているそうです。
UV-Aの量がピークを迎えている時期は、少し外出するだけで日焼けで顔が黒くなります。髪に対する影響は肌よりも分かりにくいもしれませんが、このことを考えれば、髪は相当な量のUV-Aを受けていることが想像できます。
髪の毛が傷めば、絡んだり、引っかかったりしやすくなり、シャンプーのときや、他の何かのきっかけで抜けやすくなってしまいます。
紫外線が頭皮に与える影響とは
頭皮も皮膚ですから、UV-Aが皮膚に与える影響を考えてみれば、頭皮にも悪影響があることは容易に分かるでしょう。
頭皮がUV-Aを浴びると、潤いを失って、乾燥しやすくなります。そうすると、フケやかゆみが発生します。
UV-Aによる頭皮への影響は、毛母細胞にも及びます。毛母細胞は髪の毛を作る細胞です。毛母細胞がダメージを受けると、毛母細胞は弱く、細い毛しか作れなくなったり、髪の毛を維持できずに、抜け毛を引き起こしたります。
ダメージがさらに大きいと、毛母細胞は髪の毛を作るのを停止してしまいます。こうなると、髪の毛は生えてきません。
これはとても怖いことですね。こうならないためにも、髪と頭皮を紫外線から守る必要があります。
紫外線による髪と頭皮への影響を防ぐには
最も簡単で効果のある対策は、帽子をかぶることです。帽子をかぶることで、髪や頭皮への影響を小さく抑えることができます。ただし、帽子をかぶり続けると、頭が蒸れてしまいます。これはこれで、頭皮や髪に良くないので、通気性の良い帽子を選んだり、長時間帽子をかぶり続けるのを避けるなどすると良いでしょう。
普通の帽子でも効果は有りますが、UVカット機能のある帽子を使えば、さらに効果的に紫外線が遮断できます。
他にも日傘を使うのも有効です。ただし、これは、男性には、難しいかもしれません。本当は、男性でも女性でも紫外線からの悪影響は同じなのですが、男性が日傘を使うのは、まだまだ一般的ではありませんから。
髪にも使える日焼け止めを使うことも効果的です。スプレータイプの日焼け止めの中には、髪に使用してもよいものがあるので、探してみて下さい。
髪を分けている人は、分け目の部分で頭皮が、他よりも髪で覆われておらず、日焼けを受け易くなっています。いつも同じ分け目であると、同じ場所ばかり紫外線に強くさらされるので、たまに分け目を変えると良いでしょう。
髪と頭皮が紫外線を多く浴びてしまった場合は
紫外線を浴びるのをなるべく避けることは必須ですが、完全に浴びないようにすることはできません。
髪が紫外線を多く浴びてしまった場合は、シャンプー後にトリートメンをしっかり行うことが効果的です。いたんだキューティクルの補修が期待できます。
一度傷ついてしまった髪の毛を元通りにすることはできないかもしれません。しかし、だからといって、そのまま放っておいては、痛みが進行してしまいます。せめて、そうならないように、ダメージが小さいうちにケアして、それ以上に抜けやすい髪になってしまうのを防いでいきましょう。
頭皮が日焼けした場合も、日焼け後のケアが大切です。正しく対処しないと、頭皮のダメージが進んでしまいます。正しい対処方法を知り、実行し、日焼け後の頭皮のダメージを抑えましょう。
これはかなり日焼けがひどい状態ですが、頭皮にヒリヒリという痛みを感じる場合は、頭皮を冷やす必要があります。シャワーで頭皮に水をかけたり、冷やした濡れタオルを当てるなどしましょう。シャワーを使う場合、水圧が強すぎると、痛みを感じたり、頭皮をさらに傷つけたりしかねないので、弱く出した水をかける程度にすると良いです。
シャンプーをするときには、いつも以上にお湯の温度に気を使いましょう。温度が高過ぎると、皮脂や角質細胞が必要以上に取り除かれてしまいますし、頭皮への刺激も強すぎます。普段よりもぬるめの温度にするのが良いでしょう。
シャンプーで髪と頭皮を洗うときも、いつも以上にやさしく洗うように気を付けましょう。頭皮にヒリヒリとした痛みを感じる場合は、シャンプーを使うのを控えることも検討してください。
日焼けをした肌が乾燥しやすいのと同じく、頭皮も日焼けすると、乾燥します。こういう場合は、保湿をして水分を補いましょう。やり方は、化粧水をコットンに含ませて、頭皮に触れるように頭に乗せ、数分程度、そのまま待ちます。その後、乳液や、オイルを塗って水分が逃げないようにしておくと一層効果的です。