抜け毛を起こさない頭皮に優しいシャンプーの選び方とは
抜け毛を予防して、健康な髪を生やすには、頭皮の健康が欠かせません。頭皮を健康に保つには、頭皮を清潔に保つことが何より大事です。もちろん、髪も清潔でなければなりません。髪が汚れていては、髪のボリュームが出ず、薄毛が目立ってしまうからです。
頭皮と髪をきれいにしてくれるのは、シャンプーです。そういった役割を持ったシャンプーですが、大きく分けて、3種類に分かれます。
種類があるということは、それぞれが違った特徴を持っているということです。大きな特徴の違いは何かというと、シャンプーの成分です。シャンプーに配合されている成分によって、髪の毛や頭皮に与える影響は違います。
テレビのCMなどで良く聞くシャンプーの分類は、シリコンタイプとノンシリコンタイプではないでしょうか。シリコンはコーティング剤の役割を持つので、髪の指通りが良く、髪の絡まりづらいといった利点を期待できます。
ノンシリコンタイプのシャンプーも世の中に浸透してきています。シリコンシャンプーは、シリコンのコーティングで髪に重さが生まれて特に髪の細い人の髪がつぶれて、ボリュームが失われやすくなります。こういうことが、ノンシリコンタイプのシャンプーでなく、髪を軽くすることができます。
一方、ノンシリコンシャンプーは、シリコンによる髪のコーティングない分、髪がきしんだり、指通りが悪くなったりします。また、ドライヤーや紫外線に弱くなるというデメリットがあります。
このような特徴から分かるように、シリコンタイプかノンシリコンタイプかの違いは髪に対する影響の違いです。したがって、この2種類の分類は、抜け毛に影響する頭皮への影響の点では、変りはありません。では、頭皮に関する特徴が違う分類とはどういったものがあって、のタイプのシャンプーが頭皮に優しいのでしょうか。これについて説明します。
頭皮に対する影響の点からは、シャンプーは、3つの種類に分けることができます。
- 高級アルコール系シャンプー
- 石けん系シャンプー
- アミノ酸系シャンプー
この3つの違いは、シャンプーの洗浄成分として何が使われているのかによります。
洗浄成分により頭皮の影響が違いますから、万人に共通しておススメのシャンプーというのはありません。各人の頭皮の状態によって適するシャンプーは違います。
シャンプーの大半の成分は水で、次に多いのが洗浄成分である界面活性剤です。界面活性剤は、本来混ざり合わない水と油の仲立ちをして、一緒に溶け込んだような状態を作ることができます。
この特徴が使われて、脂を洗い流すことができるので、シャンプーだけでなく、石けんや食器洗い用洗剤などにも含まれています。シャンプーを使わないで、お湯だけだと、ある程度は汚れが落ちるものの、十分には落ち切らないのはこういった理由からです。
各シャンプーがどのタイプの洗浄成分を使っているかは、成分表を見れば分かります。成分表は、含有量が多い順に並んでいますので、水の次に書かれているのが、そのシャンプーの洗浄成分です。
1.高級アルコール系シャンプーは洗浄力が高い
高級アルコール系シャンプーは洗浄力が高い洗浄成分を含んでいます。その洗浄成分が高級アルコールです。ここで高級とは、高価という意味ではなく、アルコール分子の炭素の数によって高級か低級かが決まります。
高級アルコール系シャンプーは、泡立ちが良く、シャンプー中、いかにも洗っているという感覚を持て、CMなどでも画面映えします。洗浄力が高いので、洗った後のさっぱり感が強く、多くのシャンプーで使われています。
実際、街中のドラッグストアなどで売られているシャンプーのほとんどは、高級アルコール系シャンプーです。
アルコール系シャンプーに使われる高級アルコールは石油から大量生産が可能で、値段が安いことも特徴です。このことも、市販されているシャンプーの多くが高級アルコール系であることの理由の1つです。
高級アルコール系シャンプーには、洗浄剤として、
- ラウリル硫酸
- ラウリル硫酸ナトリウム
- ラウリル硫酸アンモニウム
- ラウレス硫酸ナトリウム
- ラウレス硫酸アンモニウム
などが含まれています。これ以外にも、高級アルコール系シャンプーには、洗浄成分として「…硫酸」という成分が含まれている場合があります。
高級アルコール系シャンプーは、泡立ちが良い、洗った後の爽快感が強い、値段が安いなどの長所が多いのですが、大きな欠点があります。それは、洗浄力が強すぎることです。
洗浄力が強いというのは、もっと詳しく言うと、脂を取り除く力が強いということです。これは、頭皮がきれいになるので、良い点のように思えます。
しかし、頭皮は保護のために常に皮脂によって覆われていることが健康のために必要であって、高級アルコール系シャンプーは、その強い洗浄力によって、頭皮の皮脂を根こそぎ取り除いてしまうのです。
これは、頭皮の保護膜が無くなってしまうことになるので、頭皮が乾燥しやすくなってしまいます。頭皮の肌質が乾燥気味の人には、良いシャンプーではありません。
また、皮脂が無くなった反動で、多くの皮脂が分泌され、今度は、皮脂が過剰の状態になります。
このため、頭皮が強い人、元々頭皮が脂っぽい人や、抜け毛などのトラブルを抱えていない人には、良いシャンプーですが、抜け毛対策を目指す人は避けた方が良いシャンプーです。
2.石けん系シャンプーは古くから使われているシャンプー
石けん系のシャンプーは、昔から使われており、長い間使われてきたことから体に対して安全であるという理由で、使われています。
また、石けんは高級アルコールと違って天然の物質に由来しているので、環境にやさしいと考えられています。
石けん系のシャンプーの洗剤としての特徴としては、石けんと同じく、脂分を良く取り除きます。つまり、洗浄力としては、高級アルコール系シャンプーと同じく、洗浄力が強いです。このため、高級アルコール系シャンプーと同じく、洗った後の爽快感が高いです。
一方で、高級アルコール系シャンプーと同じく、洗浄力が強すぎるきらいがあります。頭皮の皮脂を取り去るため、頭皮の乾燥を招き、人によってはフケやかゆみなどのトラブルを引き起こすことがあります。
また、手や体を洗う石けんで洗った時ほどではありませんが、髪質によっては、髪がきしむことがあります。
石けん系シャンプーには洗浄成分として、
- 脂肪酸カリウム
- 脂肪酸ナトリウム
- 石けん素地
などが含まれています。
抜け毛が気になる人には、高級アルコール系シャンプーと同じく、皮脂を取り除き過ぎるため、おススメできません。
3.頭皮に優しいアミノ酸系シャンプー
高級アルコール系シャンプーや石けん系シャンプーよりも洗浄力がマイルドで頭皮にとって優しいのがアミノ酸系シャンプーです。
アミノ酸系シャンプーは、街中のお店などではほとんどお目にかかりません。しかし、実は私たちは、案外、アミノ酸系シャンプーにお世話になっているかもしれません。美容室で多く使われているのが、アミノ酸系シャンプーだからです。
美容室で使われているということは、アミノ酸系シャンプーが、他のシャンプーよりも良い点があることが分かると思います。
アミノ酸系シャンプーは、洗浄力が強すぎず、皮脂を全て取り去ってしまうことなく、皮脂の不要な分だけを洗い流すことが期待できます。また、髪がパサつきにくかったり、保湿性が高級アルコール系や石けん系より高いなどの特徴があります。
アミノ酸系シャンプーは洗浄成分として、
- ココイルグルタミン酸
- ココイルメチルアラニンTEA
- ラウロイルグルタミン酸
- ラウロイルメチルアラニンナトリウム
- ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム
を含んでいます。
アミノ酸系シャンプーは頭皮が乾燥しにくく、頭皮への刺激も弱いので、頭皮の健康の点からは、高級アルコール系や石けん系シャンプーよりも適しています。このため、薄毛や抜け毛に悩んでいる人には、最適です。成分表を良く見て、アミノ酸系シャンプーを選ぶと良いでしょう。